凱旋門賞

 正直、ディープインパクトが負けるとは思ってなかったのですが。

 ワタクシ的に敗因を推測とするならば、2:31.7という遅いタイムにヒントがあるのではないかしらと。例えば、近年ではDalakhaniが勝った年が2:32.3(不良)、ラムタラが2:31.8(不良)、カーネギーが2:31.1(やや重)。今年は前日に雨が降っていたとはいえ、当日は朝から快晴とかで良馬場。前哨戦のアベイユドロンシャン賞(3歳上芝1000m)が54.8、オペラ賞(3歳上牝馬限定芝2000m)が2:00.9、マルセルブーサック賞(2歳牝馬限定芝1600m)が1:34.9、ジャンリュックラガルデール賞(2歳限定芝1400m)が1:18.6、ここらへんから推測すると、芝2400mなら2:26秒を切って走ってもおかしくないはずで、重い重いと巷間いわれるヨーロッパの馬場ですが、ディープに天も味方したか、と思えるような速い馬場状態のようでした。それで2:31.7というのは、はっきりいって遅すぎる。

 なんでもヨーロッパではレース直前に水がまかれる、というのでそれかしら? と思いましたが、どうやらそんなことはなかったようで、考えられるのは8頭だてという小頭数もあった超スローペースによるもの、とみるのが妥当でしょうか。レースを見てみますと、直線に入ってからも一団で、ほとんどラスト2F、もしくは1Fくらいの切れ合戦になっていたのではないか、と。

 ディープインパクトも切れ勝負なら負けていないはずですが、彼の得意とするのは4Fとか5Fの長く続く末脚、一瞬の脚の勝負となると、3.5kg軽いレイルリンクに、切れる脚を売りにする牝馬のプライドに勝てなかったのでは。ハリケーンランをライバルと目した? 武さんのスパートがむしろ遅かったか。京都で3角マクリ、4コーナーでは先頭に立っているように、フォルスストレートで進出して、直線では先頭で抜けているくらいの積極策でいったほうが……、とは結果論ですが。

 まあ、ハロンタイムはわかりませんし、単に59.5kgの斤量がこたえた、とか鉄砲はやっぱりダメだった、とかいうことも考えられますが、それにしては3着というのが微妙な着順で、最後差し返されたり、後ろからかわされたりと散々な結果でしたし、事前のコメントで武さんが、

「気になるのは騎手くらいですね」

 とかなんとか言ってたので、本人も不安に思っていた? ように、負けたのは騎手のせい、ということにして、馬は強いはずなので是非来年こそは……