NHKマイルカップ展望

 過去のNHKマイルカップの勝ち馬を眺めてみると、さすがにマルガイダービーと言われてただけあって、デビュー以来連を外してないとか、重賞連勝中とか、いかにも強そうな戦績の馬が1番人気で勝っている例が多いですね。近年ではキングカメハメハも過去の例に添った馬、去年のラインクラフトも人気ではありませんでしたが同じ流れでしょうか。ウインクリューガーなんかはその点、異端とも言える戦績でマイルカップを制しているけれど、まあ、この年は他のメンバーもショボ過ぎた感があるので例外かしら、と。

 今年の人気どころはフサイチリシャールマイネルスケルツィ、朝日杯馬にNZT馬ではありますが、クロフネとかエルコンとか、そこら辺に比べるとチョット見劣りする感がある人気馬なのは事実です。

 フサイチリシャールクロフネの息子。親父はダービーで、芝での切れ脚不足を露呈してましたが、息子のほうも年が明けて以来そんな感じの戦績。前走の皐月賞5着をどう見るかは判断が分かれるところでしょうが、それでもアドマイヤムーンと半馬身差ですから、切って捨てるにはちょっと無謀な馬ではあります。問題は先行脚質の人気馬、ということで後続勢の格好の目標になるあたりか。2歳時はそれでブッ千切りましたが、年が明けて成長した馬たちの追撃を振り切るのは容易ではないかなあ、とかなんとか。人気だけに飛んでくれると嬉しいのですが……

 マイネルスケルツィグラスワンダー産駒、とか騎手、とかに若干引っかかるものはありますが、今年の出世レースきさらぎ賞で、グロリアスウィークアドマイヤメインを抑えての3着という戦績がどうにも気になるところでしょう。新馬、未勝利と東京1800mを直線に入ったあたりで早々抜け出し、最後50m、10mくらいで差されるマヌケな惜敗を続けてましたが、中山に替わった未勝利戦ではさすがに格が違った勝利。ラジオたんぱ杯は輸送が? だったのか-10kgもあって大敗。年が明けてきさらぎ賞3着から、黄菊賞は相手も弱かったか圧勝。

 前走のNZTでは、逃げたファイングレインを最後とらえて、着差はそれほどでもない勝ち方でしたが、ラスト300mあたりまで追い出しを我慢したヨシトミ騎手の騎乗は良かったところです。惜敗2戦を見てもわかるように、重賞クラスの長い末を持った馬を相手に、早め先頭で競馬すると東京の直線はチョット長い印象。出が良く掛かりも良く、マイル戦で前につけられる馬ですし、長い直線でも半ばを過ぎたあたりから追い出しても遅くはなく、騎手もそう思っているんじゃないかなー、とワタクシ妄想してます。そういえば、この馬はマイルが合うとかなんとか、どこぞのレース後のコメントで騎手が言ってましたし、そのあたりに高松宮記念を勝った馬に通ずるところがあり、左回りのマイル、しかも初代優勝がその騎手、勝って不思議なことは何もない……、とスケルツィを買っているワタクシとしては思うところであります。内枠は是非とも希望したいところですが。

 他の馬では、やはりマイル重賞馬をとりあげたいところ。ステキ……より配当面などで妙味大なのが、皐月賞シンガリながらもゴウゴウキリシマ。騎手もどうやら中館サンでないようですし、単で穴を空けるとしたらこの馬だろう、と妄想中です。前走はササ針明けで、陣営も「絞れてはいる」とかなんとかのやる気のなさ気なコメント、前々走はその後ササ針したくらい馬が疲労してた? ということで度外視したくなります。シンザン記念は前残り……ではありましたが、グロリアスウィークを抑えた勝利。

 いまさらながらレース映像を見返しますと、5着でしたがデイリー杯2歳Sではラストが、特に最後の1Fの脚が素晴らしい印象。レース自体が11.4秒で上がるところを伸びてのものですからなかなかのものです。マルカシェンクにも見劣りしない……とまでは妄想が多大と言われそうですが、2着ダイヤモンドヘッドよりは、3着スーパーホーネットよりもラストの脚は良かった感。広い競馬場で変わるキングヘイロー産駒ということもあって、今回は条件が好転するはずなのも魅力でしょうか。ただ、この馬がG1かぁ、と考えるとちょっと疑問符がついてしまのですが、3代母がマルゼンスキーの母Shill、血に底力はあるはず。

 ステキシンスケクンはマルガイの逃げ馬。アーリントンCは逃げ切りましたが、クロッカスSは逃げて惜敗、このあたりが判断の付け所でしょうか。おそらく3番人気あたりになることでしょうし、軽視したくなる気はしますが、騎手がどうやらボス、三連馬券には抑えとく必要はありそうですが、去年はビッグプラネットが7着、まあこのあたりではないかと。と軽視しているとアッサリ走られそうではありますが。

 連、複穴に一考しておきたいのはキープユアスマイル。デビュー以来(2311)の堅実派で、そのほとんどで上がり一番手。マイルカップ複勝圏馬のほぼ絶対条件「芝マイル以上で勝ち星かダート東京マイルで1着」というのにも合致してますし、スケルツィが騎手の魔法で3着くらいになったとしたら、1着キリシマ、2着がこの馬なら高配当だよなあ、と週末まで楽しい皮算用をしていそうであります。とはいえ、深入りしないようにね、と自分に釘を。G3くらいならこういう条件馬も「相手なり」に走りますが、G1ともなると格が違いすぎますし。