2回阪神6日

 今年の阪神競馬場チューリップ賞アネモネSフィリーズレビューフラワーC、のトライアルの中で一番価値があると思われるのは、実はフラワーC。翌日に良い比較対照になりそうなスプリングSがあって、共に1:48.9の勝ち時計。それぞれのラップを並べてみると、

フラワーC
12.3-11.3-11.9-12-11.8-12.4-12-12.3-12.9(59.3、37.2)

スプリングS
13-11.9-12-11.8-11.6-12.2-12.1-12-12.3(60.3、36.4)

 フラワーCフサイチパンドラとビューティーパールが競り合って大逃げしていたので、ラップはあまり参考にならないとの意見もありますが、三番手以下のラップを、前との差を考慮に入れてみるとスプリングSとほぼ等価値と思われます。昨日のNZTでもその傾向が現れましたが、今年のきさらぎ賞のレベルは高かったようで、上位2頭のドリームパスポートメイショウサムソン、がスプリングSでも3、1着。

 フラワーC勝ち馬キストゥヘヴンは馬群の中の先団を進んで上がり35.5秒、レースラップを考えるに、これは悪くない数字で、スプリングSに入っても勝ち負けできそう(?)なくらいの内容でした。関東馬である、とか、輸送が初めて、などの不安材料はたしかにありますが、父アドマイヤベガならば時計のかかる今開催の阪神の馬場はむしろ得意なはずで、母の父ノーザンテースト桜花賞に特注したい血統。

 後から考えてみると、キストゥが勝った未勝利戦(中山芝1600m)は、当日の他のレースに比べて悪くない時計でしたし、前走も上記のように優秀。実績は過去の桜花賞馬などに比べて多少見劣りしますが、デビュー以来連を外していない成績は悪くなく、なにより同じような、全連対、未勝利+重賞勝ちのアドマイヤキッスが1番人気になる桜花賞ですから、こちらのキスも実績をマイナスに捉える必要はなさそう。

 激戦の桜花賞で、元から420kg台の小さな馬体というのは不安になりますが、去年その理由で外したデアリングハートがバッチリ3着していたことですし、輸送減りが酷くなければ、人気も一息そうなここはちょっと期待してみる価値がありそうです。


キストゥヘヴン 単勝2000円 複勝1000円


 他の有力馬の見解も少々。

 アドマイヤキッスは長休明けの前走勝ちは立派ですが、叩いて上積みを見込める、というよりも使い減りする血統ですので、評価を上げる必要はなさそう。まあ騎手が複勝率5割超、桜花賞5勝のタケさんですから切って捨てるのはさすがに無謀。

 フサイチパンドラは上記フラワーCの激流を作って乗り切っているのだから、能力に疑いようはなく、ここでもマトモに走ってくれば勝ち負け。デビュー以来なんだかんだで角田騎手が乗り続けているのも魅力的な材料。

 テイエムプリキュアの前走は乗り代わりのヘタ騎乗と、直線で勝ち馬に進路を塞がれたり、と散々な競馬で評価下げは禁物。

 ダイワパッションは短距離志向。フィリーズレビューのレベルは高くなかった。

 コイウタはなんか中間の不安なお話がチラホラ。それは抜きにしても西の上位陣と組み合うと阪神JF6着、これが良い指標になるのではなかろうか。

 連、三連馬券の穴に面白そうなのはグレイスティアラ。阪神JF16着は散々ながらも、前走を見ると芝も悪くはない感触。阪神マイルより東京マイルの方が合っている気はしますが、3〜5着くらいのうち上位に食い込めば馬券にはなる。

 ラッシュライフは意味不明の騎乗をする鞍上ながら、前走より明らかに上積みが見込め、人気のないあたりも好材料。いちおう戦績ではアドマイヤカリブより強い(ステキシンスケクンより強い)馬で、内の先団をロスなく進めば2、3着も大いにありうる。