有馬記念回想

 やはりこの馬から。ディープインパクトはスタート一息で最後方から、んでバックストレッチあたりから外回して徐々に進出して直線向いたあたりで先団に持ってきて……、なんか皐月賞のときと同じような競馬してんのね。そのときと違ったのは相手と展開でした。

 レースの勝敗を分けたのはおそらく、前後、内外も含めた直線での位置取り。土曜にマリウスがインをするする抜けて伸びて大穴空けてましたし、このレースでも道中後方だったコイントスがインをついて5着まで押し上げてきてましたし、他のレースを見てても芝の色ほど内が悪いわけではなかったようで、外を回して直線で比較的外側を走ってたディープにはそのあたりが有利でなかった印象でした。

 前後では、レース映像を見ると直線入り口あたりでの隊列は、

(タップ、バルク)−(ハーツ、リンカーン)−ディープ

 ってな具合。さすがにタップは最後にタレてましたが、他の3頭が1、3、4着なのだから、結果から見れば行ってた者勝ちの展開だったようであります。

 勝ったハーツクライは馬の実力もさることながら……、終始3番手4番手で競馬を進めてたルメ様の好騎乗も幸いした印象。ルメ様は4Rでも内の方で叩き合って勝ってましたし、7Rでも負けはしましたが、インついて前が塞がってましたし、なにやら「わかっていた」道中、直線のポジション取りでした。

 ディープは不利な展開で……、というより、直線ではしっかり前に行ってましたし、デルタブルースなんかに比べればはるかにマシな競馬をしてましたが、ほぼ最高に進めてたハーツ&ルメ様にはかなわなかったという結果。騎手コメントでの「飛ばなかった」という理由もあったのでしょうか。

 リンカーンは良い競馬してましたが、コメントでも言ってる、ラスト1Fあたりでバルクとハーツに前を塞がれてたのも敗因の一つでしょう。スンナリだったらもうちょっと違った結果になっていたはずですが、まあこれが競馬。

 コスモバルクの4着は驚いたけれど、この馬よっぽど五十嵐騎手と手が合っているんでしょう。いつもの掛かり癖はどこへやら2、3番手でピタリ折り合ってましたし、最後はハーツ、ディープ、リンカーン菊花賞で連対したステイヤーにスタミナ負け? してましたが、もし距離が中山2200mならあるいは……、があったかも。もし今年一年このコンビが続いてたら、重賞の一つや二つ取れていたことは想像に難くないなぁ。

 コイントスは先行してたらなぁ……とチョッピリ残念。北村宏騎手のイン突きが幸いしてたけれど、どうせなら馬券になってくれなきゃあ。

 人気を裏切った馬たちでは、ゼンノは+12kgが立派過ぎたのでしょうし、デルタは後方から遅仕掛けで外回して……これじゃあ勝てるはずがない。

 勝ち時計が3:31.9でそう遅くありませんでしたし、道中12.9−13.0と2F遅くなったとはいえ、他は12.3秒以下でしたし、逃げたタップが12着、2番手のハルカがブービーでしたし、上位陣の顔ぶれを見てもスタミナを要する流れであったことは想像に難くありません。その展開で後方馬群ママのデルタは……、もう考えるのはやめよう。