天皇賞回想

 まあ、今後のこともありますし、気になることを書き出してみよう。

 勝ったヘヴンリーロマンスの出世レースといえば、昨年の古都S(京都2200m)。1000m通過が65.3秒の超ドスローの流れを33.0秒(レース33.5秒)で上がってきて2着。スローで上がりの早い競馬に利あることはわかるけれど、秋の天皇賞で1000m通過が62.4秒ってのは、今年のメンバーからは考えにくいですわ。なんか「回ってきたら勝っちゃいました」ってな展開に思えて仕方ない。

 ちなみに古都S1着馬はアイポッパー、明後日Eye Popperと名を変えてメルボルンカップを走る予定。最近どこかでチラリと読んだ藤田騎手のコメントでは「オーストラリアは日本以上にスローで上がりの競馬になりやすい」とかなんとか。ならばアイポッパーには実績のあるうってつけの展開で、コーフィールドカップの好走も納得ですし、海の向こうで大仕事の可能性も十分に考えられます。3着のサクラセンチュリーは来週のアルゼンチン共和国杯に登録してますので、もし海の彼方でEye Popperが活躍するようなことがあれば、勢いで来週買ってみようかと。人気でしょうけど。

 2着のゼンノロブロイは直線でバランスとデンエンに前が塞がれそうになってましたが、間を割って伸びてくるのはさすが。ところが、ゴール前で内の方にもたれて走ってしまったので、勝ち馬の闘争心に火をつけた? のか、最後のひと伸びの差で2着。真っ直ぐ走っていれば距離損もないし普通に勝っていたろうけれど、ノリさんが3歳時に乗っていたとはいえ、久々のテン乗りのぶん馬の特徴を掴みきれずに負けた、というところか。負けたけれど、さすがに強い、現役最強。

 3着のダンスインザムードはあの燃える気性はどこへいったの? と思うような落ち着いたレースぶり。スタートしてすいすいと前に行って、いつの間にかタップの下の3番手後方をキープ。直線では……って、なんか去年と道中の位置取りも直線も同じような競馬。スローの展開でしたが最後に切れる脚を持っているぶん、先行したストーミーやタップ、バランスあたりには先着してましたわね。個人的には暴走してストーミーと競り合ってハイペースを期待してたので、まるで見当ハズレでした。

 4着にはアサクサデンエン。これで次走のマイルCSも人気確実(2番人気?)でしょうが、5番手追走から直線もスムーズに走れているなど、恵まれた競馬だったこともたしか。実力があるならもっとゼンノについていけたはずで、この4着で評価を上げるのは危険。まあ、別に評価を下げる競馬でもありませんでしたが。

 マイ本命サンライズペガサスは……11着か。1000m62.4秒、ラスト4Fが11.8-11.0-11.2-11.4の競馬は毎日王冠より遅い上がりの競馬。外枠からのスタートで前回より後ろで外外からの競馬でしたし、コーナー中間あたりから進出しようとしてましたが、周囲も同じ速さで動いてたのでは位置取りも変わりようがありませんわ。道中はゼンノをマークする形で進んでいながら、直線でゼンノが抜け出した後、デンエンとスイープに前を塞がれる格好でアウト。

 レースの時計が2:00.1、シンガリの馬が2:01.3(1着と1.2秒差)で走り抜けて、上がり最速が32.6秒(7着ハットトリック)で最遅が34.1秒(8着ストーミーカフェ)。これがハンデ戦だったら「さすがはJRAの名ハンデキャッパー」と賞賛したくなるレースでした。