有馬記念展望2

 さすがに大一番の有馬記念だけあって、スポーツ新聞各紙も今週ばかりはトップ記事に持ってきています。今日はそれをなぞるような検証でも。
 1番人気はおそらくゼンノロブロイ、春とは一枚も二枚も違う決め手でGⅠを2連勝、シンボリクリスエススペシャルウィークですらできなかった秋古馬GⅠ3連勝を成し遂げるのか否か、注目が集まるところです。2000年のテイエムオペラオーは達成しましたが、1999年のスペシャルウィークはできなかった……。今年のゼンノロブロイは、来年のデルタブルースは、などとワタクシ配役して思っているので、ゼンノは勝てないかなぁ。となれば勝ち馬は宝塚記念勝ち馬で秋に調子を落としていた……タップ?
 ワタクシ思考を捨てて普通に考えてみます。ゼンノが今秋調子を上げてきたようにみえますが、北村騎手の話によると、春と変わってない、との事。まー言いにくいけど、あれですね、騎手がヘボかったのではないか、と。今回もペリエ様が乗るようで、実力は十分に発揮されそうです。問題は巷間言われるように、疲労、でしょうか。ジャパンカップを好時計で勝ってますし。追い切りであからさまに怪しい時計など出していたり、パドックで元気なさそうなら切りでしょうが、そうなる前に、藤沢さんは出走回避させるでしょうね。
 2番人気、もしかしたら単勝だけ1番人気になっちゃうかもしれないコスモバルクですが、この馬は鞍上より、問題なオーナー命令が。なんでも、ゼンノロブロイを徹底マークせよ、との指示が下っているようです。瞬発力が違うだろ、と思うのは僕だけではないかと。前々で粘りこませた方が勝つ可能性は生まれてくるような……。逃げマークされないための煙幕指示とのうがった見方もできますが、さすがにそこまで深読みはできないかなぁ。疲労でいえばゼンノよりこの馬の方が気になります。
 春のグランプリホース・タップダンスシチー凱旋門賞からの参戦。空路の都合などで強行日程になって、潰れて帰ってきましたので、ワタクシは買いたくないのでこの馬は消し。新聞各紙で、もしかしたら……、実力は一枚上、とか書かれて気になるかもしれませんが、不動の無印、と今から宣言。
 菊花賞デルタブルースも参戦、しかもジャパンカップ3着で人気も生まれそうな気配。菊花賞後にジャパンカップ&有馬も参戦と聞いて、やめとけ、無理、などと思っていたのですが、いざジャパンカップになると本命にしてしまう節操の無さ。今回も気になる一頭です。なんせ秋初戦に同舞台を強い競馬で勝ってますし、1000万とグランプリでは舞台は同じでもレースはまるで違いますから、結果を鵜呑みにはできませんけどね。鞍上は二転三転してボニヤ騎手に落ち着きましたが、この人上手いとは思えないんだよなぁ、とワタクシは軽視していたり。鞍上がボニヤボニヤしているうちに負けてしまうのではないかと。寒いか。
 と、ここまで上位人気に不安をみて、このままでは荒れること必至な有馬記念ですが、さて、どうなるのか……。
 芝GⅠ最多の3勝馬ヒシミラクルジャパンカップで復調を感じさせる走りを見せてくれました。サッカーボーイ産駒に中山はどうかとの見方もありますし、自身3歳時に大敗しているので消しの気配ですが、ミラクルおじさん事件以来、この馬の復活走が気になってしまうのは僕だけではないはず。おそらくタップが作るであろう流れはこの馬に有利に働くでしょう。体調もかなり戻ってきているようで、そろそろの一発は考えておかねばならないか。
 勝ったGⅠの数はすでに7勝、現役どころか歴代最多タイに並んでいるアドマイヤドンが1年越しで有馬参戦を決断。JCダートで怪しい走りをみせた今年よりは、去年の方が好走したんでないか? と皆様思うのでは。底力で3着くらいには来るかもしれませんが、JCダートの結果からは重視できない気分。とはいえ、あの時は追い不足だった(事実、馬がセーブしたとかで強く追ってなかった)とみれば、今回の追い切り次第では惑星の1頭に数え上げるのはやぶさかではナシ。穴馬という判断。
 この春もっとも名を売った上がり馬、シルクフェイマスも参戦の気配。天皇賞ではまさかのマイナス体重で10着と敗れたので、建て直しができているか否か。過去の成績からも、実力が発揮できれば争覇圏の一頭は間違いないんですが。ワタクシ的には、過去この馬を一度も推したことがないので、今回も軽視したいところですが……
 橋口厩舎3頭出しの一の矢はツルマルボーイか。天皇賞では後方からあの馬場をよく伸びてきて4着の結果。今回も後方待機……って、ダイタクバートラムハーツクライも後方待機の戦法でないの。馬の脚質というものは厩舎の影響が大きいのかしら。とはいえ、敗れたといっても天皇賞はこの馬の末脚の確かさを再度見せてくれた形で、JCをスキップするローテーションで体調は万全だろう(と期待したい)。上位人気馬が不安となると、このへんが落としどころに丁度良い馬なのかも。
 二の矢に指定したいのはハーツクライ。この秋、春とは別馬のような末脚が不満で、復活を期待したいけれど、今回は軽視だわなぁ。
 三の矢にダイタクバートラムステイヤーズSはまるで別格の勝ちっぷり。鞍上がいろんな所ですったもんだの挙句、ユタカ様という結果になったのは運が良いというべきだろう。オグリキャップ以来有馬記念を勝っていないユタカ様ですから、不安といえば不安ですが。前走、別定GⅡとはいえ、負かした相手が弱かったとの見方もありますし、判断しづらい面もありますが、有馬の過去の結果を漫然と眺めていると、この馬が2、3着となりそうに感じますよね。
 3歳からはサウスポー・ハイアーゲームと、ここも3頭出し藤沢厩舎のピサノクウカイが出走。前者は中山ダメ、との理由で、切り。ピサノクウカイはダービー7着の結果だけ気になりますが、ペリエを以ってしても詰めの甘い馬であっただけに、グランプリの舞台での好走はおぼつかないと見るのが正しいかと。
 ウインブレイズグレイトジャーニーユキノサンロイヤルは賞金を咥えて帰ってきてくれれば恩の字の馬と誰しもが思うように、僕も見る。
 美味しいものは最後にとっておく、でないけど、最後に残ったコイントス。6歳馬ですが、過去の戦績から実力はあるはず。すばらしい勝ちっぷりの悪さから、頭には押せませんが、復調の気配を示し始めたようなジョッキーと併せて、三連単の穴馬に選んでおくのも面白いかもしれませんね。
 と、全部の馬を眺めてみて、推したい馬が一頭もいないことに気づいてみたり。こういうときはサイン読みの出番だ。今年はやはり地震、台風、つまり天災がネタか。天才イチローも活躍したので、天才ジョッキー・タケユタカダイタクバートラムに期待しよう。