優駿牝馬回想

 ヤマニンファビュルが大逃げを打つ展開で、発表のラップは1000m通過が58.1秒、2番手以下は大きく離れて実質スロー……でもなく、アサヒライジングの1000m通過は61秒前後、距離不安などでスローの流れが通例のオークスですが、今年は後続も遅くなく、勝ち時計の2:26.2はレースレコードに0.1秒差で、上がり最速が35.3秒、G1らしい力の問われる流れになったようです。

 道中2番手(実質逃げ?)のアサヒライジングのペースは1000m、2000mがほぼ61秒、61秒、今年乗れている騎手に脱帽したくなる絶妙なラップで、これで3着に粘っているのですから、馬も騎手も立派、褒められてしかるべきでありましょう。ワタクシ的には騎手も馬もコイウタにはかなわないだろう、とみて一枚落として考えてましたが、父ロイヤルタッチ(SS×Nijinsky)、母の父にミナガワマンナの底力ありそうな血が、自身の作った流れの中でモノを言った形でしょうか。コイウタが無事完走しててもおそらく6着前後ではなかったかと。来週のヨシトミ様はアドマイヤメイン、同じ脚質の馬であるだけに「ダービー卿ジョッキー」の「卿」の字が取れることになるかも……、期待が湧いてくるのも無理のないところであります。

 カワカミプリンセスキングヘイローの娘。キングヘイロー産駒は今年が2世代目となりますが、産駒には東京、京都、新潟の広い競馬場が得意なイメージがあります。同父ではニシノフジムスメもいましたが、血統表を眺めるとカワカミプリンセスの牝系にはSeattle SlewSecretariatにKey to the Mint、ミーハーなワタクシとしましてはやはりこちらを上にとらざるをえませんでした。スイートピーSでは内有利が現れていた馬場で逃げ馬が残るところを豪快に外差し、やはり能力が違っていたということでありました。桜花賞上位馬は距離が不安材料でしたが、こちらは米三冠馬が並ぶ牝系で2400mも問題ないスタミナを有していたようです。

 これで秋との二冠は堅い……、とはワタクシ的には? 京都2000mなら桜花賞組の巻き返しも当然あるはずで、キストゥヘヴンアドマイヤキッスフサイチパンドラとも能力はおそらく五分五分ではないかと見ています。それに、今年は夏に出世してくる馬がいるような気も漠然としますしね。

 2着にはフサイチパンドラ。書いた予想では名を挙げてませんでしたが、馬券を買う前に幻の今年のオークスサンヴィクトワール(今なにしてんの?)のことを思い出してたら、新馬戦で完勝してたこの馬のことも思考の俎上に。サンデー×Nureyevの配合の牝馬、といえばトゥザヴィクトリー、といえばオークス2着、だから……とまで単純ではありませんが、能力はこれまで幾度も語られたように一級品、人気が落ちて騎手も変わって、狙うならここかなあ、と思って押さえてたのが連馬券に幸いしました。なぜ今回走ったのか、理由はいろいろ考えられますが、これまでのマイルは短かったのでないかとも。

 1番人気のアドマイヤキッスはコワイコワイタケユタカ様でしたが、4着。ワタクシ的にはもっと負けると思っていただけに、ちょっと意外な結果ではありました。道中はしっかり折り合ってましたし、直線の伸び脚もまずまず、負けたのはやはり距離適性の分でしょう。

 桜花賞キストゥヘヴンは伸びきれず6着。パドックや返し馬でもちょっとテンションが高いように感じられたので、その分が響いていたのかも。最後苦しそうにしていたと聞きますし、この馬も今年の2400mをこなすスタミナが無かったのではないかと。

 チョット気にしてた穴馬のキープユアスマイルは12着、さすがに能力が違っていたようです。