桜花賞回想

 今開催の阪神芝は、何度も、各所で語られてきたとおりに、とにかく時計がかかっていました。昨日の阪神牝馬Sで1:21.2が出てはいるけれど、牝馬限定とはいえ別定古馬G2、ラインクラフトの能力があれば、例年の馬場なら1分20秒台前半で乗り切れて不思議はなく、やはり遅い。

 日曜8Rの4歳1000万下で1:09.5、前後を考えるとこのレースが基準になりそうな時計です。他に芝では4Rに3歳500万下の1400m戦が1:21.9で決着していて、こちらを見ると、そんなに遅いわけでもないのかなー、と思えますが、むしろこのレースが優秀な時計で比較対照には参考外。

 今年の桜花賞の勝ち時計は1:34.6。近年1分33秒台が続いていたのでちょっと遅く感じるかもしれませんが、馬場差を考えると優秀な数字。道中のラップは、

12.5-10.9-11.4-11.9-12.1-12.1-11.5-12.2(58.8、35.8)

 内枠を利して逃げたアサヒライジングが4着に粘ったとはいえ、1000m通過58.8秒はちょっと早め。他の先行勢は、距離に不安があった馬たちとはいえ後方に沈み、1、2着は馬群後方外側を進んでいた馬たちで決まりました。まあ、ほぼ一団で進んだ展開は後方の馬に有利でしたが。

 勝ったキストゥヘヴンは道中は前にアドマイヤキッスをマークする位置……といえば聞こえがいいけれど、ほとんど最後方の大外を回したロスの大きな競馬。勝っているのだからもちろん好騎乗ではあるし、馬は強いけれども、馬券を持っていると見ていて心臓に悪い。小さめの馬体、切れる末脚、文句なくオークスの最有力候補ではあろうけれど、カッとなる気性という話も、そこらへんが次走では鍵になりそう。

 アドマイヤキッスは道中キストゥヘヴンの前。後方外からの競馬はチューリップ賞とほぼ同じ乗り方で、勝ち馬に交わされたのは切れの差だろうか、目標にされたからだろうか。マイルがベスト、使いべりする、と思っているのでオークスでは遠慮なく切って捨てたい。

 そういえば、桜花賞の着順をみると、


1着 キストゥヘヴン(フラワーC1着)
2着 アドマイヤキッスチューリップ賞1着)
3着 コイウタ(クイーンC1着)
4着 アサヒライジング(クイーンC2着、アネモネS1着)
5着 シェルズレイチューリップ賞2着)
6着 ウインシンシアチューリップ賞3着)

 レベルの低かったフィリーズレビュー上位が沈んで、他の3重賞の着順が絡み合ってそのまま並んでおり、わかりやすい、といえばわかりやすくはある結果でした。

 3着には噂のコイウタ、どうも中間不調とかなんとかいう話が聞こえてきて軽視してみたけれど、菜の花賞、クイーンCの結果に横山ノリさん騎乗、これくらい走って当然ではあったか。個人的には、3着で本当によかった。次もアサヒライジングのペースで行きそうなので、前をスンナリ行ければオークスでも走ってきそうであります。

 4着のアサヒライジングは、最内だけ止まらない馬場とはいえ、よく粘っている。後続次第ではあわや……、もあった競馬で、どうも今年はヨシトミさん良い馬にめぐり合っているなあ、という印象。NHKマイルCでも(マイネルスケルツィで)もしかして……

 シェルズレイは最後切れ負けした印象で5着。騎手の乗り方はさすがに悪く思えなかったけれど、今回は外枠が災いしたか。

 テイエムプリキュアは出遅れ気味から、道中はチューリップ賞とほとんど同じ展開。熊さんなにやってんの……

 2番人気に推されたフサイチパンドラは、大外から勢いよく行ったタッチザピークに釣られたか? 強引な行く競馬。道中のペースもあってこれは厳しく、最後は末がなかった。現状で角田騎手にはちと荷が重い馬かも。

 明日のスポーツ新聞競馬欄の見出しが楽しみな結果でした。