重賞回想

 レースはニシノアンサーが注文どおりの逃げをうって、二番手にモエレソーブラッズ、三番手外にメイショウサムソンと内フサイチリシャールの展開。1000m通過60.3秒は早くはないペース、ラップも淡々とした流れで馬群もほぼ一団、何頭かの馬を除いたらほとんど隊列のままゴールまでなだれ込んだ形で、前後が入れ替わった弥生賞とは正反対の流れだった。

 メイショウサムソンは大外に石橋守騎手ということでだいぶ割り引いて考えていたけれど、中山芝1800mの舞台で1コーナーまでにスンナリと先団3番手につけたのにはちょっと驚いた。すぐ内枠に早いモエレソーブラッズがいたのが幸いしてはいると思うけれど、スタートからがなかなかの好騎乗ではあるまいか。

 内につけていたフサイチリシャールが3、4コーナーで一旦少し下げて直線外に持ち出す競馬だったのに対して、メイショウは道中ままの位置取りで直線を迎えられた、このあたりのスムーズさで1、2着の差がついた形だろう。皐月賞を考えると、有力各馬の中ではメイショウサムソンの脚質は一番有利なタイプ。いつまでも騎手が気になるけれど、距離に不安もなく、本番でも馬券内はいけるか。

 フサイチリシャールは賞金の余裕がある馬のトライアルらしく、最後の脚を計る競馬になった。結果、切れでは明らかに負けるので早めにいった方が良いこと疑いなく、皐月賞では本来の逃げ先行抜け出しで競馬をするだろう、あとの問題は距離か。2歳時と年明けの戦績を眺めていると、メイショウボーラーっぽい気がしないでもない。

 3着だったドリームパスポートは、フサイチが外に持ち出してすっぽり空いた内のスペースをすり抜けて伸びてきた。坂を駆け上がるときの脚はさすがの切れだったが、上ったところで止まったのか、最後差がついた。脚質は皐月賞ではちょっと買いづらく、あまり長い脚でもなさそうではダービーも難しいか。

 タマモサポートはいつもながら口を割り割りヤンチャな競馬。騎乗もあまり上手ではなかったけれど、それでいて4着まで来るのは素質があるものと見たい。タマモクロス産駒、良くなるのはきっと秋以降だろう、覚えておいて良い名前。

 ニシノアンサーはワタクシ期待の馬ではあるけれど、クラシックはちと厳しい。スペシャルウィーク産駒だけにこれからの大きな成長も望めないだろうし……