重賞回想

 前週に「中京は2000m1秒くらい早い馬場」と書いてたけれど、一週間経ってみたら今度は「1秒くらい遅い馬場」へと変貌、なんでだ。ファルコンSの勝ち時計は1:09.9、馬場差を考えても遅めの時計ではありましたが、それにしてもかかりすぎ。週中の馬場整備は、


 5日(日)芝刈りを実施した。
 9日(木)芝の生育管理のため肥料を散布をした。
 9日(木)芝の生育管理のため散水を実施した。

 と発表されてますが、散水のしすぎか? 金曜も雨降ってたみたいですし。

 レースは、内のアイアムエンジェルが逃げる展開を、2番手タイセイアトム、3番手に4頭が並走する展開。短距離戦ながら1着から14着までが1秒差で入線する差のない結果で、当日の体調、レース中の有利不利が着順に影響が大きかったかなあ。

 勝ったタガノバスティーユにしても、メンバーの中では優位だった、という印象。


 勝ち時計が1:47.8。道中掛かったメイショウオスカルが飛ばしたように見えて、1000m通過60.1秒、さして早くはなかった。それでいて先行勢が粘りきれなかったのは、よどみのない流れで距離適性の短い馬がもたなくなったから。カネトシディザイア、スターリーヘヴンあたりはマイル以下に実績のあった馬。上位3頭はオークスで好走していた馬。

 ラスト3Fのラップが(11.8-11.8-11.6)と示すように、最後には早い決め脚の要求されるレースだった。

 1着ヤマニンシュクルが上がり34.5秒、2着ディアデラノビア34.4秒、3着ヤマニンアラバスタ34.6秒、道中や直線の位置取りを考えるとこの3頭の能力は拮抗しているのではないか、というのがワタクシの感想。

 ヤマニンシュクル阪神JF勝ち以来2年4ヶ月ぶりの久々の勝利。勝った要因を挙げればいくつも浮かんでくるが、屈腱炎で長期休養しながらも末脚の衰えていなかったのが一番だろう。いつも外を回す鞍上だが、内が荒れて外がよく伸びる馬場になったのも幸いした。ヴィクトリアマイルは当然有力。ただ、蹄鉄が外れた云々いう話は半分くらいに思っておいたほうがいいだろう。

 ディアデラノビアは勝ち馬の後を追いかけるように2着。スタートは好発を決めたものの、おそらく外に持ち出したかったのだろう(馬場が良いから?)、しばらくは位置取りを下げる競馬。向こう正面に入ったあたりで外が空き、すかさず持ち出したもののポジションは勝ち馬の後ろだった。着差や上がり時計から推測すると、内枠だったのが災いしたか。勝ち馬と逆なら勝っていたかもしれない。

 ヤマニンアラバスタはスタート一息から最後方追走で、最後は内をついた。最後まで伸び切れなかったのは荒れた馬場が原因ではなかろうか。インをつくのは悪くはないが、馬場を読みきれなかった? 騎手の判断の差かなあ。ライラプスが内に斜行したあたりで若干のロスもあったか。

 コスモマーベラスは勝ち馬より順調に競馬を進めてながら差のついたあたり、ハンデをもってしても上位馬とは差のある印象。今回は相手が悪かった。

 アンブロワーズだけはもう引退させた方がいいと思うけれど……


 時計を比較するのにちょうど良いレース(古馬1000万下須磨特別)があって、先団三頭が併走して、その後方集団の先頭に勝ち馬がいるという展開まで同じ、ラップも、

須:12.5-10.8-11.4-11.6-11.8-11.7-12.7(1:22.5)
FR:12.6-10.9-11.3-11.7-11.8-12.2-12.6(1:23.1)

 途中まではほぼ同等という競馬で、比較するとレベルは高くないかな。

 去年のFRはハイレベルな一戦で、ほぼ同じラップで須磨特別より0.1秒速い勝ち時計でした。単純に考えてみますと、今年は0.6秒遅れ、去年須磨特別から0.6秒差のあたりで入線したのは、ちょうど差の空いた部分ですが9-10着レベル。去年のブリトン、ツルマルオトメあたりでは、今年のFR組は桜花賞本番でとても期待できない印象。

 まあ、他も悪かったら浮上してきましょうが、2着ユメノオーラが先週に前走500万下の雪割草特別を、良馬場で1:23.0、今回やや重1:23.4。劣勢が語られる関東馬が優勝、というのはいかにもFRのレベルを象徴しているように思えてなりません。

 勝ち馬のダイワパッションは父フォーティーナイナー、母の父がシェイディハイツで、重い馬場も重馬場こなせそうだなー、という印象はレース前にありました。とはいえ、勝った最大の要因は、遠征ながら馬体重-6kgで体調も悪くなかったことによるものかなあ。距離や馬場に関してなら、桜花賞は文句なし。

 1番人気だったサンヴィクトワールは-8kgで416kg、デビューが434kgというのを考えると、体調が落ちていたのでは。桜花賞はやめて、せめてオークスまで間を空けて立て直して欲しい馬ではあるけれど、どうなることやら。

 狙ってたフミノサチヒメはついていけずに? 最後方、終了。てか本田さん、なんであの位置なの。

 先週みっちり書いた重賞回想に比べて今週の少ないこと。むろん馬券を外したまくった影響によるものであります。