スプリンターズS展望

 週中のスポーツ新聞の記事を読んでいると、なんだかサイレントウィットネスが1番人気の気配。しかも香港マネーも入る? ので、単勝オッズは2.5倍を切ってしまうかもしれません。ならば連馬券に手を出すか、他の馬の一発を狙ってみようか……。そんなわけでレースの検証をば。

 まずは展開について。今年も逃げ宣言をしているカルストンライトオも、さすがに今年7歳になって往年のダッシュ力は陰を潜めてきた感。テイエムチュラサンが逃げないにしても抑えないでスタートするなら、それをかわして逃げるには前半32.5秒を切るくらいの脚は使わなければならないだろう。そうなると、必然的にペースは速めに、馬群は縦長の展開になる。これは後方を進む馬にとって危険な状況。

 とまあ、ここから本格的な検証が始まるところでしたが、阪神タイガースが優勝してしまったので、なにか関連した馬を買うのが大吉。一昨年優勝して今年も優勝だから、デュランダルが臭い? いやいや、そんなに単純ではないだろう。今年から阪神の黄金時代が始まるとすれば「ゴールデン」両騎? ならば、金本、今岡、赤星、鳥谷等々、綺羅星のごときメンバーが揃っての優勝、「ゴールデンキャスト(黄金の配役)」が怪しくはないか。

 そういう考えで眺めてみると、低レベルと言われるセントウルSとはいえ、前哨戦を勝っている事実は大きい。坂のある阪神コースに良績があるということは、中山にも適性があるはず、坂を気にしそうな馬がいる中、これは明らかにプラス材料。過去に中山の短距離を2回走って13着、11着はとても相性が良いとは言えないが、体調が最悪だったときのオーシャンS13着、去年の不良馬場でのスプリンターズS11着ならば、度外視してもご都合主義ではあるまい。もはや誰の頭にないかもしれないが、今年始まったグローバル・スプリントチャレンジ、ケープオブグッドホープが既に優勝確定とはいえ、ゴールデンキャストは現在10点で、スプリンターズSを勝てば20点で2位になれる。

 カルストンやテイエム、サイレントが飛ばすハイペースを先団内でじっと我慢し、直線坂で他馬の足が鈍る中、インをついてゴールデンキャストが脚を伸ばす。3、4番手で前半33.0−上がり34.3で1:07.3、これが今年のスプリンターズSの勝ち時計。2歳時にききょうSで名を上げた馬、G1級といわれた素材が今年ついに花を咲かせる。

 ……のか?