重賞展望

 今週末は新潟記念。個人的には一昨年にとても悲しい思い出があって、あまり得意とは思えないレースなのですが。

 登録14頭のうち、メモリーキアヌに続いてソーユアフロストが体調不良で回避とか、そうなるとメンバーを見渡しても逃げそうな馬が見当たりません。新潟の外回りですから、ただでさえスローになりそうな舞台設定、何が逃げるにしてもハイペースは望むべくもなく、レースはスローの上がり勝負になるか、行った行ったの前残りにでもなるか。

 鞍上から考えますと、「逃げの」と冠名のある中館騎手のアグネスシラヌイが候補の一頭でしょうか。過去の戦績を眺めると500万下、1000万下にいたころは前々で結果を残してきた馬でありますし、今回は逃げの手に、というより押し出されてしまうかもしれません。ただ、今年に入ってから前の競馬で惨敗していますので、逃げないように指示されているかも。ま、中館騎手をわざわざ乗せるくらいですから、逃げさせないなんてことはないか。他に逃げそうなのは……、と眺めてみても見当たりませんので、逃げ候補はこの馬ということで、レースは1000m61秒以上のスローで流れる事も考えておきます。

 勝ち馬のイメージは、ソコソコ自在性があって早い脚も繰り出せる馬……、と考えますと、1番人気モノになりそうですが、ダイワレイダースがやはり有力に思えてきます。新潟は1400と1600ですが3戦して(2001)、負けたのが太め&梶騎手というレースであれば、コース実績は十分。距離は前走で七夕賞を制しているので問題なさそうですし、馬場が渋ったら喜ぶくらいの馬ですから、このところの不順な天候もむしろ望むところ。馬体重が増えていても一桁で収まるようならば、多少人気でも狙わざるを得ないところでしょうか。

 次に、強い弱いはともかくとして気になるのは、昨年の紫苑S降着以来ツキに見放されている感のあるヤマニンアラバスタ。先週ロマンスとチュラサンが重賞を制したこともあって、「夏は牝馬」という格言が再度広まった感がありますし、他に「夏は芦毛」という格言もあって、案外穴人気しそうな気配がイヤラシイところです。トニービンを代表とするGrey Sovereign系の馬が昨開催から、過去のこのレースでも絶好調ですし、父&母父ともにGrey Sovereign系の当馬は注目したいところ。ただ、この馬の運命的に今回も3着で賞金の上積みなし……、という気が多大にしてまいります。昨年の佐渡S勝ち馬レニングラード新潟記念で勝ちきれなかったのも、チョッピリ不安になる材料。

 人気になりそうな馬を考えますと、このメンバーならヴィータローザが2、3番人気といったところでしょうか。金鯱賞タップダンスシチーの2着は光りますし、G1では足りないながら、ローカルのG3ならば大威張りのローザネイ一族、過去の戦績から見てもわかるようにスローの競馬は大得意。ハンデ57.5kgですが、それだけ課されたようにこのメンバーでは実績上位ですし、ここは負けられないところにも思えてきます。ただ、やはりトップハンデはトップハンデ、次の阪神開催には昨年58kgを背負って2着した朝日CCもありますし、ここは叩き台かなあ、とも思えてきます。

 最初に逃げ候補として名をあげたアグネスシラヌイは、2回新潟開催で好タイムの天の川S勝ちが光ります。母父がこのレース得意のトニービンで、母親がかつての新潟記念勝ち馬アイリッシュダンス、ハンデも手頃な54kg、夏に結果を残してきている古馬でもありますし、なかなかに買いたくなる要素が揃っています。2000mも未勝利、500万下、1000万下、準OPとそれぞれ勝っている得意距離ですので、問題なし、魅力的に思えてきます。ただ、天の川S、日本海Sなどの、条件の2000m戦勝ち馬が、新潟記念で人気を裏切って来た過去があって、そのことがワタクシにはチョッピリ気がかりに思えます。