重賞展望

 ディープインパクト、と書いておくとけっこうな人数が流れ込んでくるようですが、今日は土曜のチューリップ賞の展望をば。
 チューリップ賞といえば阪神JFチューリップ賞桜花賞と繋がる一連の阪神1600m戦の真ん中に位置する重要なレース。しかも3着までに入った馬は桜花賞への優先出走権も得られるってんで、賞金の足りない陣営が眼の色を変えて馬を仕上げてきたりします。なにせ牝馬オークスではなく桜花賞勝ち馬の方が繁殖としての価値が高くなる、とか。すでに賞金の足りている馬は本番前の一叩きということになるので案外、実績No1の1番人気が足をすくわれたりすることもあったりします。メジロドーベルなんかが良い例でしょうか。
 牡馬なら弥生賞に該当するレースで、例年有力馬が集まって……と言いたいのですが、今年は重賞馬皆無、OP勝ち馬が2頭、500万下卒業馬が2頭という体たらく、なかなかに難解なメンバーが揃ったと言えましょうか。OP2頭は紅梅S勝ちエリモファイナルに菜の花賞勝ちエイシンテンダー
 紅梅Sが1400mで行われるようになってから、チューリップ賞に直行した勝ち馬の成績は(2100)でほぼパーフェクト。しかも土曜の阪神競馬場の予想天気は暴風雪(@yahoo)で、ダート戦に変更されたりしたら……、そこまでいかずとも重馬場などで行われれば、あの格言が思い出されるでしょう「重得意のオペラハウス」。ちなみに過去10年間チューリップ賞で前走が1400mを1着、もしくは1600m戦、でない馬は一頭も連対したことがないので、1200mの菜の花賞勝ち馬は来ないはず……
 賞金800万の2頭はオリエントチャームディアデラノビア、図ったわけではなく両馬とも牡馬混合のマイル戦を勝っていたりして、おそらく人気の両翼を占めることになりましょう。
 オリエントチャームはあのゴールドアリュールの全妹という良血で、馬場が渋れば血統背景からも好走が間違いなし。ということに、今ようやく気づいた。紅梅Sではエリモファイナルに差されましたが、前走のこぶし賞は圧勝。阪神競馬場では新馬を1200m戦ですが勝っていますし、適性は示しています。
 おそらく1番人気になりそうなのはディアデラノビア。名前だけ聞きますと恐竜みたいですが、アルゼンチンで「恋人の日」という日のことだとか。言語が違うとまったく違う意味に聞こえる好例でしょうか。ロシア語で「エビ」は男性のシンボルの意味で、「ハラショー!」はわざわざ説明するまでもなく、戦前、陸軍からモスクワに出向していたとある武官がパーティーの席上で「海老原少尉!」と大声で呼ばれたとか、呼ばれなかったとか。
 ちなみにこのディアデラノビア新馬戦で阪神マイルを勝ち、2戦目の白梅賞で後にエルフィンSを制するエアメサイア、日曜の弥生賞でもしかすると4番人気に推されそうなレットバトラーなどを並ぶ間もなく交わしさった実力馬。牝馬ディープインパクト級と言ってる人もいるようないないような。ちなみに白梅賞とか紅梅Sとか黄梅賞とか中央にはありますが、冠位十二階によると冠の色は上から紫、青、赤、黄、白、黒、となるとか。レースの重要度も紅梅S>黄梅賞>白梅賞となるのかしら。ならばエリモファイナルには叶わないことになりますが……