1回東京8日

  • 9R ヒヤシンスS ⑬シベリアンホビー

 この路線は6月までJRAでは重賞がないため、OPでも実質は重賞級レース。メンバーの満足に集まらない芝路線の重賞より、こちらの方が面白いし予想しがいもあるというものだ。
 3戦3勝ドンクール皐月賞の賞金を稼ぐため? ダートに目を向けたディープサマーが人気の両翼だろうが、狙うのは当馬。前走の6着はプラス10kgの太め残りと見るならば、まだ決着はついていない。名手・内田博幸を配した⑧シルクストリートも気になったけれど、こちらを選んでみた。

 一昨年シンボリクリスエスが圧倒的な強さを見せて制した有馬記念の時計は2:30.5、かつてダイユウサクが打ち立てた2:30.6を12年ぶりに塗り替えるレコードであった。ところが昨年の有馬記念ゼンノロブロイが走り抜けたタイムはそれをはるかに上回る2:29.5、ダイユウサクから1.1秒、シンボリクリスエスから1.0秒も早い。距離にもよるが一馬身は0.2秒の差になると言われる。ということはゼンノはクリスエスより5馬身も強い馬なのだ!
 ……などといっても誰も納得しないだろう。走破タイムは道中のペースによって左右されるのだし、なにより昨年の中山の馬場は秋開催から異常に早かった。もし外国馬が出走していたら「馬の脚が壊れる」などと日本の評判が悪くなっていること必定なほどに。その中でもレコードの大更新が示すとおり、有馬記念は特に早かった。
 3着のシルクフェイマスが2:29.8、4着ダイタクバートラムが2:30.0、6着ハイアーゲームが2:30.4、これらの馬をあげたのは上位陣であり、年明けに出走した事のある馬たちであるからだ。それらの成績はどうか。3着シルクは昨日の京都記念で10着、4着ダイタクは同レースを8着、6着ハイアーはダイヤモンドSを4着。これがなにを意味するのか。
 有馬記念は早すぎたのだ、早すぎるレースが馬にかける負担はいうまでもない。
 むろん京都記念は馬場がナニであったし、ダイヤモンドSは距離がナニであった、などとここで逃げ口上も付け足しておいて話を進める。
 フェブラリーSの前売りで対抗オッズとなったアドマイヤドンは2:30.4の時計で有馬記念7着。この着順は判断の分かれるところだろうが、クビ差のハイアーゲームがダイヤモンドSを1番人気で4着なのだから、人気ほど走れるのかどうか、本来のパフォーマンスを期待できるのか、危ういと見ていいのではないか。
 そうなると圧倒的1番人気に支持されたメイショウボーラーに目が向く……はずなのだが、単勝を買っているとどうしても穴馬に目が行ってしまうのは仕方のないこと。それが負ける原因だと知りつつもついつい皮算用をしてしまう。
 フェブラリーSは芝も走れる馬が強く、前走はマイルより長いほうが良い傾向がある。この二つをあわせると2頭の馬が浮上してくる、ユートピアシーキングザダイヤだ。前走は2000mと2100mの交流GⅠを共に2着、なかなか優秀ではないか。
 迷ったときは人気薄を狙え! の格言を信じて、前日売りの単勝オッズで11.8倍、13.5倍、それよりメイショウがあっさり勝ってくれたときのことを考えて複勝オッズをみると1.8〜3.1倍、2.9〜5.1倍、これにて決定。
 ⑦シーキングザダイヤ 単1000円 複2000円

  • 結果

9R ヒヤシンスS ⑬シベリアンホビー 5番人気8着
11R フェブラリーS ⑦シーキングザダイヤ 5番人気2着
 ヒヤシンスSでドンクールが勝ったときは「本番ももしや……」と覚悟したのだけれど、メイショウボーラーが圧逃V、1000mを57.8秒で逃げれば付いていく馬もいないだろうて。次走はドバイか高松宮記念に向かって欲しいなあ。2着には予想通り? ダイヤが入線、複勝290円なら良しでしょうな。個人的には4歳ダート路線馬たちが下位に揃ってしまったことがショックでした。