重賞展望2

 それでは平安Sの展望をば。
 JCダート3着のジンクライシスが必勝体制での参戦。この馬、かねてよりここぞというところで運が悪かった。昨年春はヒヤシンスSで2着して賞金が稼げず、ユニコーンSの抽選をはじかれ、秋初戦の神無月Sではサイモンセッズに逃げ切られて武蔵野Sに出走できず、運良く席の空いていたJCダートに出走はできたものの賞金には関係のない3着で、重賞勝ちもなく未だに2300万円の身分、東京大賞典では補欠5番目で出走の可能性すらなかった。今回も出走順位は13番目、このままでは目標のフェブラリーSでも賞金不足ではじかれてしまうことはほぼ確実、負けられない一戦であろう。これまでダートを9戦して(4410)で底は未だ知れない。騎手の属性が気になるが、まともなら先行力のある脚質で京都のダートも怖くはない。
 底を見せていない馬ならば10ヵ月ぶりで武蔵野Sを快勝したピットファイターもすごい、これまでダートを12戦して(8301)、馬券に絡まない1回も馬体重22kg増での4着ならば度外視してかまわないだろう。この時期の鉄砲と秋の鉄砲は多少違うが、10ヵ月ぶりを走れるのであれば、今回の3ヶ月ぶりの出走は苦にならないだろう。戦績から考えればジンクライシスよりこちらの方が頭候補か。ただ、控えても走れる馬なだけに逃げ先行有利のこのレースで騎手がどういう戦法を取るのか気にはなる。ジンもそうだが、この馬も今回が初の関西参戦、輸送がどう出るのか不安が感じられなくもない。
 前走の東京大賞典で「重賞級のモノサシ馬」と考えたクーリンガーが3着からの参戦。ちなみに一昨年は上り調子一途であったピットファイターに完勝してたりもする。この馬、一昨年、去年と連続2着しており、平安Sの「連続して好走する馬が目立つ」特徴の一端を担っている。昨年は放牧明けで14kg増、冬毛ボウボウ、調教はノタノタで専門誌の評価は最低でありながら2着に激走。それに比べれば今年は好調そのもので、より以上の着順も期待できなくはない。大賞典での反動は出はしないか、不安があるとすればそこだろう。
 平安Sのみでなく京都ダート1800mの特徴として、逃げ先行馬が強い、と言われている。今回の逃げ候補を探してみると、芝からダートに舞台を移したローエングリンが有力な一頭だろうか。前走のJCダートでは内のナイキアディライトを交わして(かかって?)逃げをうった。さすがに最後にバテたのはペースもあるだろうが距離も長かったか。1800mは中山記念でレコード駆けをしたこともある得意距離。「オー」スミジェット、ス「マー」ト「ボー」イ、長音符が名に付く馬が活躍しているジンクスは心強い。
 芝戦線からダートに眼を向けたもう一頭にローマンエンパイアがいる。前走は初ダート戦でスパイキュールに差をつけられたとはいえ2着に好走。かつては新馬から3連勝で京成杯を制したほどの実力馬、軽視はできない。冬に走るの傾向があるのもこの馬の特徴。
 やる気があれば続きも。